| エッセンシャルオイルの抽出法 エッセンシャルオイルは植物のパワーを凝縮しているので、ほんの少しの量であっても、驚くほどのエネルギーを持っている。
このため、直接皮膚に塗ったりすれば、その影響も強すぎてしまい、 炎症を起こしたりしかねないので十分な注意が必要である。
エッセンシャルオイルを抽出する方法はたくさんあるが、その植物によって、 欲しい成分によって、おのずと最もベターな方法が導かれる。
最終的には、その原料となる植物の僅か0.01%〜3%位しか得ることが出来ない 大変貴重なものである。特にローズ(薔薇)のような元々から高価な植物に至っては、 最終的なエッセンシャルオイルの価格もとても高くなってしまうのだ。 ローズのエッセンシャルオイルをたった一滴得るのにローズの花が100本分も必要とされ、たとえ花が1?あったとしても、なんと0.02?の200?しか得られない計算となる。そこで、ローズの100%原液エッセンシャルオイルはほとんど市場には出回っていない。
水蒸気蒸留法 水蒸気蒸留法とは、ローマ時代に開発された精油抽出法のこと。釜に植物を入れて火を焚くことにより、植物は芳香成分(エッセンス)を蒸気として放出する。そのエッセンスの蒸気を冷却タンクに通すことにより、蒸気は凝結して蒸溜液となる。この液体のうち、油分は水より軽いので上部に浮き、下部には蒸留水が溜まる。この油分を集めたものがエッセンシャルオイルとなり、水分はフローラルウォーター(ハイドロソル)となる。
<アトラスシダー、イランイラン、クラリセージ、サイプレス、サンダルウッド、ジャーマンカモミール、ジュニバー、スィートマジョラム、セージ、ゼラニウム、ティートリー、ネロリ、バジル、パチェリー、フェンネル、フランキンセンス、ベチバー、ペパーミント、ミルラ、ユーカリ、ラベンダー、レモングラス、ローズマリー>
圧搾法 圧搾法とは、主に柑橘類の果皮エッセンスを抽出する揚合に使用される精油抽出法のこと。果皮を圧搾して液を採取し、それを放置することによって上に浮き上がってきたオイルがエッセンスとなる。熱を加えることなく精油を抽出するので変質しやすく劣化も早い。 <レモン、オレンジ、グレープフルーツ、ベルガモット>
油脂吸着法 油脂吸着法とは、花からエッセンシャルを抽出する場合に使用される精油抽出法のこと。ガラス板に(完全に無臭にした)動物性油脂を塗り、その上に花びらを張り付け、芳香成分を吸収させる。この作業を繰り返すことによって芳香成分を十分に吸収させた油脂から、アルコールで芳香物質だけを抽出したものがエッセンシャルとなる。高コストの為、現在ではほとんど採用されない。 <ローズ、ジャスミン、チュベローズ、ネロリ>
溶剤抽出法 溶剤抽出法とは、(ヘキサン・石油ベンゼン・エーテルなどの)有機溶剤を用いてエッセンスを抽出する場合に使用される精油抽出法のこと。溶剤と原料植物を混ぜ、芳香成分を溶かした後、溶剤だけを取り除いたものを“コンクリート(揮発性のオイルと天然の植物ワックスを含む物質)”と云い、コンクリートからアルコール(エタノール)を使って芳香物質を抽出したものを“アブソリュート”と云う。また、フランキンセンス・ベンゾイン・ミルラなどの樹脂性物質を抽出したものは“レジノイド”と呼ばれる。濃度が高く、強い香りと高い治癒力を持っているので、主に入浴剤として用いられ、スキンローションには適していない。 <ローズ、ジャスミン>
温浸法(マセラション) 温浸法とは、油脂吸着法の一種。植物原料を(アーモンドオイルなど)香りのない植物油に浸し、60〜70℃に加温することによって、油に植物原料からの香りを吸収させる。植物の治療特性を吸収したこのオイルは、フローラルオイル(ハーバルオイル)と呼ばれる。マセラションの過程でアルコールを使用する方法もあり、この場合結果的にできる物質は“チンキ”と呼ばれる。 <ローズ、ジャスミン、チュベローズ、ネロリ>
冷浸法(アンフルラージュ) 冷浸法とは、油脂吸着法の一種。ガラス板をシャシー(香りのない脂肪)で覆い、その上に新鮮な花を並べる。花が枯れたら取り除き、再び新しい花弁を並べて、シャシーがオイルを一杯に含むまでこの作業を繰り返す。シャシーを集め、花のくずを取り除くと、この段階でポマードが出来上がる。それにアルコールを混ぜ24時間激しく振り続けると、精油と脂肪が分離される。この方法でできたアンフルラージュアブソリュートは、濃度が高く、強い香りと高い治癒力を持っているので、主に入浴剤として用いられ、スキンローションには適していない。 <ローズ、ジャスミン、チュベローズ、ネロリ>
ハイドロデフューズ法 ハイドロデフューズ法とは、水蒸気蒸留法の一種。パーコレーション法。蒸気を上から下へ向かって送る(通常とは逆)方法で、(一部の植物には)蒸留処理の速度を向上させ、芳香植物のダメージを減少させる。しかし精油類に不揮発性物質を加えてしまうという問題がある。 <アトラスシダー、イランイラン、クラリセージ、サイプレス、サンダルウッド、ジャーマンカモミール、ジュニバー、スィートマジョラム、セージ、ゼラニウム、ティートリー、ネロリ、バジル、パチェリー、フェンネル、フランキンセンス、ベチバー、ペパーミント、ミルラ、ユーカリ、ラベンダー、レモングラス、ローズマリー>
液化二酸化炭素抽出法 液化二酸化炭素抽出法とは、超高圧の二酸化炭素ガスを利用して植物からエッセンシャルを抽出する場合に使用される精油抽出法のこと。1980年代初期に開発された比較的新しい抽出法。二酸化炭素に超高圧をかけて液化させ、エッセンスを抽出。それを常圧に戻すと二酸化炭素は気化し、香気成分だけが残るといった画期的システム。残留物も残らず、完全な(純度の高い)エッセンシャルを抽出することができる。
フィトニクス抽出法 フィトニクス抽出法とは、イギリスのピーターワイルド博士によって考案されたアロマオイルの抽出方法である。このフィトニクス抽出法によって溶剤抽出された、100%純粋な天然植物油をファイトール(PHYTOL)という。フィトニクス抽出法で使用される溶剤のテトラフルオルエタンは、不燃性の無害な物質で、−26℃という低い温度で蒸発する為、オイル中に残る心配がない(また毎回全て回収・再利用される)。ファイトールオイルの特徴は、収獲したての生葉を使用し、熱を加えず、酸や酸素にも触れさせず、生きたままのハーブの香り成分だけを抽出したので、高濃度・高品質であることが云えよう。
日付: 2005/4/8 カテゴリ: 本記事のURLは: http://relax.asiandrug.jp/modules/xfsection/article.php?articleid=9
|
|
|