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2005年09月29日
様々なバリニーズ
ここ2~3年で一気にブームとなったバリニーズエステ。
私が日本でバリニーズを始めた5年前はまだまだ認知度が低く、
クリームバスなんてミルク風呂のことだと勘違いする人も多かったんですよ。
インドネシアは階級社会。
階級によって着る服が違えば食べるものも違う。
当然、行く場所、お店も階級によって違ってくる。
さらにバリを含む観光地では階級だけではなく
観光客だけが利用する施設やお店が立ち並び、
それらの施設はいちばん高級で庶民の生活とはおよそかけ離れた雰囲気。
私たち旅行者はどの階級の施設でも自由に出入りできる存在。
ビーチのマッサージから高級スパまで、そのどれもに特色があるバリニーズ。
バリニーズエステやスパといえば東屋でのオイルトリートメントや
優雅なフラワーバスをイメージする方が多いはず。
このタイプのスパはホテル内にある場合が多いので
観光客専用で施術の内容はトラディショナルというよりも
欧米の技術を取り入れたスタイルがほとんど。
トラディショナルなルルールやボレもどことなく逆輸入された雰囲気が漂う。
お値段はそれなりにお高いけれどスタッフも日本語が話せたり、
日本人のスタッフが常在している場合もあり、バリ初心者さんや
スパ初体験の方も安心して優雅な気分に浸れます。
また花びらをふんだんに使用したり、アメニティーのセンスが良いのも特長。
もう少しこじんまりしたサロンは
ジャムウ(インドネシアのハーブ)やココナッツオイルを使って
トラディショナルなバリニーズやルルール、ボレといった
インドネシアならではのメニューをお手頃価格でしてくれます。
3時間で数千円ほど。
ここも観光客用なのでスタッフが日本語を話せる場合が多く安心ですね。
日本のフットケアのようなお店もあります。
こういうお店は男性スタッフが多かったかな。
そしてローカル御用達の「サロン・ク・チャンティカン(美容院)」。
クリームバス(ローカル風の発音では「クリンバット」!何だか強そう!)
やフェイシャルもしてくれますが
雑誌でよく見るようなロケーションとはかけ離れ、
レトロな美容院という雰囲気。
この系統のお店で一度お手洗いを貸してもらったことがありますが、
それはそれはローカルなカマルマンディ(お手洗い)で
水を貯めた水槽には小魚がゆらゆらと泳いでいました・・・。
(用を足した後、その水槽からひしゃくで水を汲み、
手で洗う手動ウォシュレット方式トイレ)
クリームバスやフェイシャルのお値段はローカルの
お客さんにはおそらく数百円で
観光客には少々割高といったところかな?
とろけるようなクリームバスとは全く違い、
「あいたたたた~!」と叫びそうになるほど
指で頭皮(というより頭蓋骨)をグリグリしてくれます。
さすがクリンバット、発音どおり手強いです!
刺激的ではあるけれど手の動きは熟練といった感じで
テキパキと仕上げてくれます。
窓の外から子どもがのぞいていたりして、アジアの街角という感じですね。
それから日本の「治療院」という雰囲気のお店。
ここでは本格的なマッサージが数百円ほどで受けることができます。
こういうお店に入ると一気にローカル色が強くなり、
東屋やフラワーバスなんてものは存在しません!
施術もリラクゼーションではなくマッサージ。
私はこの治療院の施術が大好きでよく通います。
働いている方たちはみなプロフェッショナル!
目が不自由な方なのですが、体調をぴたりと当てられて驚きます。
それもそのはず、彼らはインドネシア政府が運営する
マッサージ学校に3年通い、
理論や技術をきっちり勉強して国家試験に合格している方たちなのです。
私もここに通いたかったのですが、
入学できるのはインドネシア国籍で目が不自由な人だけなんですって。
全寮制ですべての費用はインドネシア政府が負担してくれるそうです。
そして最後に紹介したいのがインドネシア独特の寮術師によるマッサージ。
この寮術師は超自然的な能力を持ち、バリではバリアンと呼ばれています。
バリアンにもいろいろな種類があり、
最近では観光用のバリアンもいるとかいないとか。
ここではブラックマジックにかかったローカルの人が駆け込んできて
魔物を取り除いてもらう光景が日常的に見られます。
料金はお布施という形で支払います。
私はバリでしか味わえない独特の空間を楽しむために
ここでマッサージをしてもらったり
魔物を取り除く現場に参加してみたり(笑)。
バリアンのマッサージはマントラ(呪文)を唱え、
お香を焚くところから始まり、
最後にお花がいっぱい入ったティルタ(聖水)を頂きます。
あ、そして忘れていました!
観光客専用でも数百円でできるマッサージがあります。
それはクタビーチによくいるおばさんのマッサージ!
おばさんのマッサージは各家庭で行われている庶民のマッサージ。
ざっと思いつくだけでも様々な種類があるのですが、
どのタイプにもそれぞれの良さがあります。
どこで受けようが、施術者もゲストも心を持つ人間。
この両者の間で繋がりがもてないと、
どんなに素晴らしい設備でも
どんなに勉強した理論や技術でも、
どんなにバリならではの儀式を見ることができても
心からの感動は生まれません。
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投稿者 asidru : 2005年09月29日 14:23