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2005年09月29日
世界に広がる香りの効能
香りにまつわる歴史の逸話をお話ししてきましたが、芳香植物が持つ薬効やその使用法はどのようにして知られていったのでしょう。
古代ギリシャ人はエジプト人から芳香植物の知識を受け継ぎ、それを利用して行く内に、香りの心理作用に気づき、経験からその薬効をも知るようになっていきました。
ローマの医師ディオコリデスがまとめた優れた薬草誌「マテリアメディカ」はその後1500年にわたって、ヨーロッパの医療で重んじられていました。一方東洋では、芳香植物はアーユルヴェーダや漢方という形で受け継がれてゆきます。
こうして、芳香植物は、ただ良い香りがして何となく良い気持ちにさせてくれるもの、宗教の儀式に使われる神秘的なもの、という枠から抜け出して、その真の実力を人類に知らしめるようになっていきました。
火に暖められて空気の中を広がってゆく性質を持つ香りは、その効能もまた、そんな風にして世界中に広まっていったのです。
そして、ようやくアロマテラピーの夜明けがやってきたのは10世紀のこと。それは、また次回にお話しすることにしましょう。次回からは、本格的にアロマテラピーの扉を一つずつ開けて、ご案内します。
投稿者 asidru : 2005年09月29日 13:37