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2005年09月29日

精油―エッセンシャルオイル―とは

 芳香植物――香りのする植物には香りの元になる、様々な成分が含まれています。それを植物精油――エッセンシャルオイル――といいます。アロマオイルとも呼ばれていますね。

 オイルといっても、実は精油は一般に言う「油」ではありません。

「え? でも、この前お風呂にアロマオイル垂らしたけど、油みたいに浮いてたわよ?」
 はい、その通り。
 アロマオイルの成分は、アルコールが多く含まれています。

「でも、お酒はアルコールだけど水に溶けるでしょ? 水割りとか、カクテルとか、色々あるじゃない」

そう、私たちが飲用にしているエタノールや、中学や高校の化学実験室によく置いてあるメタノールは、低級アルコールといって、水に溶けるアルコールです。
 低級と言っても、質が悪いという意味ではありません。有機化学の分野では、同じカテゴリに属しているものでも、炭素数が少ないものは低級、多いものは高級と呼び分けているのです。専門用語には、こんな風に、ちょっと一般的には意味が違って聞こえるものがたくさんあります。

 高級アルコールは炭素数が多く、水には溶けません。ですから、お風呂にアロマオイルを垂らしても、溶けていかないのです。
 そんな風に水に溶けない精油を薄めるためには、キャリアオイルと呼ばれる植物性の油や、エタノールが用いられます。
 
 精油が放つ香りは実に様々でバラエティに富んでいます。甘いフローラルから、さっぱりとした柑橘系、スパイシー、さわやかなウッディー、刺激臭まで。 中には、「えっ? 何、このニオイ!」と、思わず顔をしかめてしまうような香りもあります。
 でも、そんな精油にも、あなたがまだ知らないだけで、とても素敵な効果がぎっしりと詰まっているのです。 
「良薬は口に苦し」といいますが、精油の香りもまた、同じようなことが言えそうです。

 精油は植物に含まれている成分を、ギュッ!と濃縮したものですが、空気に触れると、あっという間に空気中に拡散していってしまいます。それだからこそ、私たちは香りを感じ取ることができるのです。

 物質が空気に触れて拡散することを揮発といい、その速度や拡散しやすさを揮発度という言葉で表します。

 精油の中にあるのは一つの成分だけではありません。色々な成分が混じり合って溶け込んでいます。その中のそれぞれが違う揮発度を持っています。
 ですから、もちろん、精油毎に揮発度は変わってきます。

精油をブレンドすると、この揮発度によって、時間が経つごとに香りが変化してゆきます。
 まず最初に香ってくる揮発度の早いものがトップノート、次に揮発度が中程度のミドルノートへと移ってゆき、最後に、揮発度がきわめて遅いベースノートが漂います。

この三つのノート(速度)は香りの世界では重要なもので、香水をブレンドするパヒューマーと呼ばれる職人たちは、香りのブレンドをするとき、どんな順番でどんな香りを漂わせたいかを入念に見当し、その組み合わせで、香水のイメージも変化するのです。
 あなた好みの香りをアロマオイルでブレンドしてみるのはとても素敵なことです。アロマテラピーになれてきたら、オリジナルのブレンドにも、是非挑戦してみて下さい。

投稿者 asidru : 2005年09月29日 13:40

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