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2005年09月29日

選ぶときの注意点

 さて、さっそくアロマテラピーのお店に精油を買いに出かけたあなた。

 あ、この香り好きかもv これにしちゃおっと♪――――と思って値札を見た瞬間、選んだものによっては、もしかしたら固まってしまうかもしれません。

「ちょっと何? 何でこんなちっちゃい壜にちょっとだけ入ってるのがこんなに高いわけ?」

「アロマテラピーって、何か面白そうだしやってみようかな」と思いたった人がつまづく第一関門が、実はここだったりします。

 でも、ちょっと待って。確かに、精油はお手ごろな価格のものから、目の玉が飛び出るほど高いものまでさまざまですが、まあ、基本的には、知らない人からすれば高いものに思えてしまうかもしれません。

 けれど、それにはきちんとした理由があるのです。

 精油は植物に含まれている成分を凝縮したものなので、ボトル1本分の精油を作るのに、とても大量の花や、葉が必要です。最高級のジャスミンの精油を一滴とるのにどれほどのジャスミンの花が必要か、以前お話ししましたね。
 それほど極端でなくても、手のひらの中に簡単に収まってしまうその小さなボトルの中には、見た目よりもずっとずっと価値のあるものが詰まっているのです。

 最初はちょっと高いと思うかもしれませんが、実際に使うときには薄めたり、数滴ずつ使うので、1本買うとこれで結構使いでがあります。

「でも、最初なんだし、取りあえず安物で試してからじゃダメなの? あっちの雑貨屋さんのはどれも一本千円もしなかったわよ?」

ついついそう思ってしまう気持ちはわかります。でも、安いものには、安いなりの理由が、これまたきちんとあるのです。
 昔はそれなりのきちんとしたお店に行かないと手に入らなかった精油も、今では、あちこちで見かけるようになりました。精油に詳しい店員さんのいるお店が増えてきたことも事実ですが、本当のところ、「アロマテラピー」の名を借りただけの、質のよくないものを置いている所が多いのが現実です。

 壜の大きさは専門店のものと同じなのに、どのオイルもあまり値段に差がなく、千円未満で手にはいるようなものは、まず、本物の精油ではありません。
 精油とは、100%天然のもの――それが絶対条件です。でも、そんな安物のオイルには必ず合成物が含まれています。もしかしたら、天然のオイルなんて壜の中の1割も入っていないかもしれません。

 海外の文学作品では「安香水の匂いがした」という表現をよく見かけますが、
精油も、合成物が含まれた安物はそれなりの匂いしかしません。そういうものは香りだけを真似したまがい物ですから、前回ご紹介した有効成分はもちろん、ほとんど入っていないのです。

「でも、私、ローズが凄く好きなんです! 最初はローズって決めてたのに、こんなに高いんじゃ手がでないわ……」

 そうですね。大好きな香りを最初に選びたい気持ちはとてもよくわかります。それなら、精油そのものから揃えるのではなく、キャリアオイルであらかじめ直接肌に使えるように丁度良く薄めている商品を専門店で選ぶという手もあります。
 これなら初心者でも、買ったその日からマッサージにアロマテラピーを取り入れることができますし、大好きな香りを手に入れられて一石二鳥!

 ただし、よーく成分をチェックして、精油とキャリアオイル以外のものが混ぜられていないか、確認して下さいね。

 ジャンクでキッチュなものにもそれはそれで良いところはあります。けれど、目的が「アロマテラピー」なら、「安かろう悪かろう」の精神で、本物を選び取って下さい。

「じゃあ、どんなものなら本物だってわかるの?」

 とっても良い質問です。それでは、きちんとした良質の、100%天然の精油の見分け方のポイントを、お教えしましょう。

・茶色か青の遮光壜に入っているものを選ぶこと
精油の成分の中には、光で変質してしまうものが多くあります。ですから、品質を保つために、きちんとしたメーカーは精油を遮光壜に入れるのです。もし、あなたが手にしたものが透明の壜に入っていたら、そのメーカーは信用できません。

・植物の学名(ラテン名)、産地が明記されていること
 人間の学名がホモ・サピエンス(Homo sapiens)であることは皆さんもよくご存じですね。人間と同じように、地球上の植物や動物には普段呼ばれている通称の他に学名が必ずついています。そして、その学名はラテン語で記されています。

 何故、この学名が重要なのでしょう?それは通称では同じ名で呼ばれていても、含まれている成分が違ったり、本物よりも手に入りやすくて安かったりするものがあるからです。
 また、産地によってもケモタイプやグレードの差があり、使用目的が明確な場合、重要なポイントになります。

 良質できちんとしたメーカーなら、自社製品に誇りを持っていますから、そういう重要な情報は必ず明記してあるのです。

・使用部分が明記されていること
 これも重要なことです。植物は部位によって含まれる成分が違います。香りだけを重視するなら、香りの成分があるどの部分でも構わないかもしれません。でも、他の重要な有効成分があまり含まれていなければ、精油としては合格とは言えません。
 また、部位によって香りも違えば有効成分も違い、それぞれ独立した別の精油として活用されているものもあります。


 なかには、どちらかというと最初から効能別に選びたい人もいるかもしれません。そういう人向けに「リラックスしたいとき」「気分をシャキッとさせたいとき」など、あらかじめブレンドされているものもあります。
 アロマテラピーで、何をまずやりたいか決まっている人は、そういうブレンドされたものを選ぶのも良いかもしれません。今までお話しした注意点をクリアしている精油のメーカーのものなら、安心して使える商品です。

 その時も、必ず香りのチェックをして下さい。シャキッとしたいときなら多少好みに合わない香りでも構わないかもしれませんが、リラックスしたいときや眠れないときに使うなら、やはり好みの香りのものがいいのです。好きな香りは心に効く――リラックスしたいときなら尚更です。
 

 とにかく、選ぶときには納得できるまでしっかりチェック! これが大事です。

投稿者 asidru : 2005年09月29日 13:55

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