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2005年09月29日
予防医学の大切さ 2 ~西洋医学のカベ~
それでは、そこで行われる治療というのを考えてみましょう。
皆さんはどんな症状のときに病院に行こうと思われますか?
そうですね、風邪、腹痛、下痢、便秘、喘息、骨折、糖尿病、高血圧、四肢の痺れや関節の痛み。更年期障害、夜間頻尿、頭痛、腰痛、いろいろな症状で病院にかかった経験がおありと思います。
では、上記の中で現在の主流である西洋医学で治すことができるのは、どれかおわかりになりますか?
ここで、治す、というのが完全な「治癒」のこと、つまり投薬を中止しても健康な状況を維持できるということと、定義してみましょう。
そうすると、実は、一つしかありません。
それは骨折だけです。
「エエエ~~!!」と驚かれる方もいらっしゃるでしょう。
「私のおばさん、高血圧治ったって人いるわ」とか
「いとこの腰痛がなおった」とおっしゃる方も中にはいらっしゃるでしょう。
そういう方はきっと次のような場合です。
明確な原因で一時的に高血圧、腰痛、などの状態に陥った人、もしくは、内服を毎日おこなっている状況を「治った」と解釈しているのでしょう。
そうではなくて、長年の高血圧、長年の下痢、長年の喘息、長い経過煩っている、いわゆる慢性疾患を治すこと、これは至難の業です。
といっても、どの病名に対しても西洋薬は対応する物はあり、効果もある程度あります。が、今度は投薬を中止することが今度は難しくなります。ここで皆様に聞いてみたいと思います。
もし、薬の効果によって、あなたの健康が形作られたとしたら・・・それは本当に健康なんだろうかと、ふと思うことはありませんか?
西洋医学というのは、非常に発展しているという印象をお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。西洋医学は今後も、おそらく最強最大の医学派閥であり続けることでしょう。CTやMRIをはじめとする画像診断は3Dを駆使し、今後ますます高度な診断レベルをもつでしょうし、たった何mlの採血管によって多数の項目の検査データを調べることが可能です。
しかし、それでも、得意な分野と不得意な分野がはっきりしているのです。得意な分野はずばり、怪我や骨折など外傷の回復、そして、急性期の状況からの(突然の呼吸停止、心臓停止)救命、そして細菌感染による肺炎などの抗生剤による治療です。これらに関し
て西洋医学によって治療することに私は何の異存もありません。
しかし、それ以外の病気に対しては、薬を中止できる状況まで持っていくことは難しいケースがほとんどです。
慢性疾患の中でも難病と言われる慢性関節リウマチを含む膠原病、慢性ウイルス性肝炎、悪性腫瘍、特に多発性の転移、化学療法後の再発など、多くの医者はそういう場合、次に打つ手がありません。
私はCTでもMRIでも映らなかった胃癌の転移巣を経験したことがあります。優れた診断能力をもつといわれる西洋医学の壁を感じたことが度々あります。ましてや治療に関しては、なおさらです。ここ数年、難治性の疾患に対して、ステロイドや免疫抑制剤など早期から投与することを推奨する傾向が出てきています。これは、今の科学に限界があることを明確に表しています。民間施設にアメリカの空爆を浴びせるようなもんです。
ここまで来ると、病院に病気になってから行くことは、自分の体をほったらかしにしているようなものだと、わかっていただけたでしょうか?
だから、病気になったら病院へいく、というのをもうやめにしませんか?
その前に食事の仕方を考える、運動を取り入れてみる、生活のリズムを工夫する、ストレスを受けた時の解消法を自分なりに模索する。
そのなかにアロマセラピーやフットマッサージ、ハーブなど植物をつかったフィトセラピー、サプリメント、鍼や指圧、温泉、気功、太極拳、yoga、様々な呼吸法、いろいろあっていいと思います。ご自分にあったものを探し出して病気になることを待たずに、今!たった今、始めるのです。
そして、カウンセラーや精神科への受診も最近ではストレスマネージメントの意味で気軽に行う方向になってきています。心の健康は体の健康に必ず大きな影響を及ぼします。気になることがあれば、自分と相性の良さそうな医者を見つけておくためにも、足を運んでみてはいかがですか?
病気にもいろいろありますが、慢性的な病気の大部分は長年の個人の好みや習慣によるものが多いのです。つまり、その誤った習慣を正すことでかなりの患者さんが、健康に暮らしていくことはできるのです。
(続く)
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投稿者 asidru : 2005年09月29日 12:53