以下のコンテンツは行政書士 小笠原事務所様の許可を経て転載したものです。
会社設立なら…行政書士 小笠原事務所
メリットは大きく7つあります
第1に、一般的に、法人のほうが対外信用力が高まります。つまり新規取引時のネームバリューもそうですし、借利入れの時の点数も個人よりはアップします。借り入れの時のメリットですね。これは大きいですね。個人でお金借りるのはやはり大変ですね。
第2に、個人と法人は税率構造が違うので、収入によっては、税務上有利な設定が可能です。
第3に法人には「給与所得控除」があります。事業主であると同時に、サラリーマンと同様の経費控除が受けられます。現在個人事業主の方は55万円の青色申告控除を受けていると思いますが、この控除よりはるかに大きき控除が法人なりでは得られます。この控除があまりにも大きいので、なるたけ税金を取りたい政府は、いつも税制改革論議で、この控除を縮小しようとしているのです。でも多数派のサラリーマンを敵に回すので、なかなか進まないようです。法人化したら、恩恵にあずかれますよ。
また、会社になっても、現在個人事業で経費にしている部分は同じように経費にできます。さらに、プラスしてこの「給与所得控除」が受けられるようになるのです。小さくした所得をさらに小さくできるのです。日本の累進税率を考えたら、いかにその意味が大きいかおわかりでしょう。結構なメリットですよね。
第4に、所得を分散できます。家族に報酬を分けたりすることが容易です。
第5に、青色欠損金を5年間控除できます。個人は3年間です。青色欠損金は、赤字が出てもその赤字を翌期に繰り越せるということで、スタートアップの会社にはとても有利な制度です。
どちらも、個人と同様の制度が、法人ではもっと有利になってるわけですね。さらにあらにメリットがあります。
第6に、減価償却費の計上が任意でできます。減価償却費は、30万円以上の資産を買った場合、多年度に分けて経費として計上する制度で、法人は計上しないこともできます。つまり黒字を出したくても赤字が出そうなら、計上しない手があります。個人は強制ですから、選択はできません。
黒字にしたら税金がかかるのに、わざわざ黒字決算にするということは、資金をどこかから借入れる場合とかが多いようですね。
第7に、役員でも退職金が支給できます。一般に退職金の税率は優遇されています。
たとえば会社を作って10年したら、退職金から400万円を控除できて、税金のかかる計算のもととなる金額も半分になります。日本の税制は、特に退職金を優遇しているのですよ。例えば、さらにもうひとつ会社を作って、1つ目の会社を妻に任せて、自分は新会社で仕事をしても退職になるのです。
デメリットは大きく6つあります
第1に設立に費用、手間がかかります。
第2に会社の維持に、地方税として最低年間7万円かかります。個人事業ではかかりません。
第3に維持、運営に個人よりも手間、手続が増えます。たとえば記帳は複式簿記できっちりとする必要があります。複式簿記までしていれば、あと少しの努力だと思います。決算報告書などは会計ソフトでできます。
第4に株式会社なら2年ごとの取締役変更、4年ごとに監査役変更が必要です。また会社の重要な決定事項は、商法に基づいて株主総会や取締役会を開く必要があります。有限会社ならその必要はないです。
第5に確認会社(1円会社)は5年以内に最低資本金にするために増資をする必要があります。つまり会社設立時にはいくらの資本金でも(1円でも)会社は設立できるのですが、有限会社は300万円、株式会社は1000万円に増資する必要がありますね。
第6に交際費の経費算入に限度枠があります。法人の場合は資本金5000万以下なら年400万円までで、その9割が交際費に認められます。個人なら限度枠がありませんが、事業のための交際費か個人的な飲み食いかをかっちりと区別する必要があります。交際費の多い個人事業の方は、400万円の枠なんか簡単に突破するということで、わざと法人化しない人もいますね。
このように法人なり(会社設立)の大きなメリットとデメリットをあげてみました。
利益がでてくれば会社の形態を選択したほうがメリットが大きいと私どもは思っています。デメリットも私ども行政書士や税理士がカバーできる範囲も多いです。私どものお客様は皆様はある程度になるまでは、売り上げを上げることに専念する方が多いようです。