Healing Salon NEW インタビュー
流れるエナジーの和をキャッチフレーズにしているサロン、「Healing Salon New」
本日は、店長の倉持順子さんにお話をうかがった。
1. 地域に根付いた経営
−よろしくお願いします。まずお店のことから聞いてもいいですか?
「ええ、まずうちというのは完全に私がフリーでやっているところですので、よくある手広く展開しているチェーン店みたいなところとは全く別だと思っていただいてけっこうです。個人の経営です」
−今後広げていこうとかはお考えではないですか?
「考えてないですね。私の場合は縛られたくないっていうのがあるんですよ。自由業じゃないですか、だから、できれば自分の時間を大事にしたいっていうのがあるんです」
−自由に経営したい、と。
「というよりも企業的なやり方が苦手なんです。企業さんっていうのは、こういう癒しのスペースであっても企業のスタイルで考えてしまうんですね。営業時間もきっちり決めて、お客さんの回転率をあげようとする。でも、お客さん側からしたら、こう、施術が終わったあとに、ゆったりと休んだりする時間ってやっぱり重要だと思うんですよね、それがいいから来ているっていう方もいると思いますし」
−なるほど、お客さんからしたら確かに癒されに来ているわけですからね。
「ええ。でも、企業っていうのはそうじゃなくて、そういう時間を無駄な時間として排除してしまうんですね。私はそれが嫌だからあくまでフリーのカタチにこだわっているんです。セラピストってそういうものだと思いますしね。何分で何回転っていう企業的なやり方だとやっぱり人間関係の部分でも進展は無いですしね」
−人間関係、ですか。
「そう。こういう小さい店で、うちは人の多い大通りに面してるわけでもないですし、駅前にあるわけでもないでしょ? だからやっぱり人間関係って大事になってくると思うの。ご近所さんとか、わりと狭いコミュニティでやっていることだから」
−地域に根付いてやっていく、というスタイルですね。
「これから経営するにしても、私と同じような考えの人っていると思いますしね。そういう方に参考にしていただければ、と思います」
2. リラクゼーション業界へのデビュー
−この業界というのはいつごろから始められたんですか?
「私は遅いんです。30過ぎてからですから(笑)」
−何かきっかけとかありました?
「きっかけは複数あるんですけど、もともと法律関係のことをやっていたんですね」
−法律!
「弁護士の補助者みたいなことなんですけど、弁護士の代わりに依頼者から話を聞いて、書類にまとめて、でも私たちは弁護士ではないので、私たちがまとめたものを弁護士が目を通して提出するというカタチですね。そういう仕事で」
−ええ、ええ。
「そういった仕事をしていたんですけど、その頃とある老人、まぁ私の母なんですけれども、母がリンパ浮腫があったんですね。リンパ浮腫というのは、手術などでリンパを切ったりした後に、リンパ液がうまく流れなくなったりして腫れたりするんですけど、そういう感じで」
−ああ、それで。
「それもあるんですけど、あと自分が怪我をして、そのときに行った整骨院で親切にいろいろ自分の身体に関して教えてくれて、私はもともと関節がうまくはまらないというか、すぐ抜けちゃったりとかしていたんですね。そういうのを教えてくださって。で、その二つが主なきっかけになってますね。リンパをうまく流せないか? というのと、整骨院」
−新しい可能性みたいなものを感じられたんですね。そこからまず何を学んでみましたか?
「最初はリフレクソロジーですね」
−ああ、リンパの。
「そうです。でそこのリフレクソロジーを習いに行ったところはもう潰れてしまったんですけど(笑)。でもそこに半年くらい通ってましたね。他にもいろいろ行きましたけど」
−その学んだすぐあとからもう始められたんですか?
「いえ、まだ法律の仕事もしていたので、本格的にはやらなかったです。手始めにご近所にチラシを配って、出張の個人マッサージというのをやっていましたね」
−それは珍しいケースですね〜。
「パソコンでチラシ作って、友達とかご近所に配って、あとは紹介という形で。でもそれをやっていたときに、表参道のサロンから一緒に共同経営でやってみないか? って誘われたんですね。そのときのメンバーは6人いて、フェイシャルの方と、ネイルの方と、あとアロマの方がいて」
−複合的にできるサロンだったんですね〜。
「そうですね。その6人くらいで、完全予約制でやってたんですよ。家賃が高かったから6人みんなで経営してました(笑)。全員が経費を払って、使い放題という。で、そのときこの今の店を立てたオーナーさんが、岩盤浴ケアをやりたいと言っていて、それともう一つ別にリンパマッサージを当時ネットで見たか何かでやりたいと言っていて、それでリンパマッサージのできるリンパセラピストを連れて来いと経営コンサルタントの方に言ったらしいんですね。それで私が呼ばれて、やらないかといわれたんです」
−その経緯というのはどんな感じだったんですか?
「とあるレンタルスペースを使っていて、それをたまたま経営コンサルタントの方が見たか何かで、メールが来たんですね。そこからですよ」
−立ち上げからやったんですか?
「ええ。もう立ち上げは大変でしたよ。オープンするまでがすごく大変」
−でもいいお店ですよね〜。
「うちは本当に女の子もみんな粒ぞろいですし、私もわがままですけど、それなりに毎日いますしね」
−倉持さんは何時まで働いてらっしゃるんです?
「うーん、大体10時くらいまで? ですかね。私結婚してて、子どももいるんですよ。だから朝起きて弁当作ったりとかしなくちゃいけないし(笑)」
−あ、そうだったんですか!
「ええ、でもさすがに最近バテてきましたけどね。一応ノルマみたいなものもありますし、しっかり自分の健康管理はしておかないと、重大なミスも引き起こしかねないですからね。健康だけはしっかりしないと」
3. 接客業の基本とは
−そうですね〜。接客ですからね。いままで苦労したことというのはどんなことですか?
「苦労はね〜、まず私ってどんぶり勘定なんですよ。わりと基本的に。だけどこういうお店っていうのはそういう部分をしっかりやらなくちゃならないじゃないですか。マーケティングとかそういう聞いたこともないようなことをやっていかなくちゃならない。何時から何時までが何人来ていくらになるっていう、そういうのを考えなくちゃいけないんですよ。それは苦労しましたね」
−ああ、なるほど〜。
「あと男性の感覚だと、クイックマッサージってあるじゃないですか? 10分千円とかそういう。あれって女性には受けないんですね。女性のお客さんはわりとしっかり予約して、じっくりやってほしいっていう方が多いんです。でも、その男性のクイックマッサージみたいな感覚っていうのをどんどん取り入れてみたりもしたいっていうのはあるんです。男性の感覚での癒されるっていうのは、まぁ『どこまでやってくれますか? 女の子はどんな子がいますか?』っていう電話もあったりするんで、そういう方向らしいんですけど(笑)、女性の癒しっていう感覚は、例えば子育てであるとか、旦那さんが話を聞いてくれないとかでストレスがたまって、それを解消したいっていう、うっぷんを晴らす場所としての癒しを求めているんですね。男女で根本から違うんです。でも、それを経営者は理解してくれないから、経営者が分かる範囲内で自分達の意向を通していくというのが一番今苦労していることですかね」
−サービスの充実以外で気にしている点ってありますか?
「やっぱり環境というか、店内の雰囲気ですよね。掃除も怠りませんし、お客さんがくつろげるスペース、雰囲気作りというのが重要ですね」
−これからやりたいことは?
「アーユルベーダとかやってみたいんですよ。これから勉強したいんです。でも時間がなかなかなくて(笑)。また最近横文字が頭に入ってこなかったりするんですよ〜」
4. 今後の方向性
−(笑)。方向としては何かありますか?
「医療と絡めたいというのがありますね。一番いい形として。実際に私たちのような資格を持っていて、整骨院さんであるとか、カイロさんですとか、そういうところへ入っている人もいるじゃないですか? メイクでも病院に入れる時代ですから、私たちも医療の一端として医療へ食い込んでいきたいという気持ちはあります」
−現状では難しいんですかね?
「欧米ではわりと進んでいますけど、日本はすごく遅れていますよね。だからこそ医療の方へ行きたいという気持ちはあります」
−ここのお店のウリでもある岩盤についてはどうですか?
「岩盤は、今流行っていますし、いいですよ。汗をかくっていうのはすごくいいことなんですけど、今の子どもに多いんですが、クーラーなんかの影響で汗腺が開いていないという人が多いんですね、汗をうまく出せないという。そういう方には効果的です。冷え性の女性とか、ぜひ試してほしいです」
−ここのお店のコンセプトというのは?
「毒を出すということです(笑)。身体の悪いものを全部出すという。解毒ですね。毒だしサロン(笑)」
−毒だし(笑)。キャッチーですね。客層はどうですか?
「最初は団塊の世代を狙ったんですが、あの世代はこういうところでお金を使わないんですよ。なぜなら、老後に備えているんですね(笑)。だからお財布の紐は固いの」
−なるほど〜。
「かえって20〜30代の結婚していない女性とかの方がどんどん自分にお金を使えるんですね。また中高年より若い子に岩盤浴ってうけるんですよ」
−岩盤浴もですか!
「中高年は温泉行っちゃうんです(笑)」
−なるほど!!
「そんな感じなので、若い女の子の方がやっぱりうちのお客さんでも多いですよ。岩盤浴もどんどんやってみて欲しいし。私もマーケティングとかいろいろ学んでますけど、根本的にはお客さんが第一ですから。そこだけはしっかりやっていきたいと思ってます」
Healing Salon NEW
東京都南大井3-33-10-2F
tel 03-5753-7075 http://www.hs-new.com/
取材協力:リラクゼーション無料体験!リラフリ