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按摩（あんま）とは、なでる、押す、揉む、叩くなどの手技を用い、生体の持つ恒常性維持機能を反応させて健康を増進させる手技療法である。按摩の按とは「押さえる」という意味であり、摩とは「なでる」という意味である。文献上最も古い出現は、黄帝内経であるが、具体的内容については記されていない。

日本では、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律（昭和22年12月20日公布）において、あん摩マッサージ指圧師免許もしくは医師免許（共に国家資格）がなければ業として行うことはできない。

按摩の按は瀉法を意味し摩は補法を意味すると按摩手引には記載されているが、東洋医学的な根拠はまるでない。また、遠心的に行うとするものとする本などもあるが、これも特に根拠がない。一説では、求心的に行うと着物がはだけるためとされ、少なくとも医学的な根拠は見出されない。実際に治療として按摩を行うときは、特に方向は考えずに行う。按摩とは圧迫と摩擦を中心にした療法であると考えられるが、現在では揉捏を多用し、それが代表的な手技のように思われている。また、古法按摩では経絡に沿って「虚」「実」を判断し、按と摩を使い分けて、気血の流れを正しくすることにより治療したとされるが、明治以降の医学の西洋化の流れと共にヨーロッパのマッサージと混用され筋肉や神経への作用を中心とした手技になっている。経絡の流れを中心に考えた手技として中国の推拿が挙げられる。